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ソシャゲ課金の救済??

ネットサーフィンをしていたら不思議なニュースを見かけました。

「課金しすぎた方に向けた救済サービスを司法書士法人が立ち上げ…」http://www.inside-games.jp/article/2017/02/08/105212.html

ソシャゲ(スマホとかでやるゲームで、ガチャによる過剰な課金などが時々問題になっているものです。)で課金しすぎたユーザーの救済サービスが始まったというニュースで、ゲーム系のまとめサイトでも紹介されていますが、中には課金されたお金を取り戻すというニュアンスで紹介している記事もあります。

「取り戻す」というと、ゲームユーザーがソシャゲの運営業者から課金した分(全部又は一部)を返してもらうというイメージですが、そのような請求は簡単ではなく、記事の内容やサービス提供するという司法書士法人のHPを見ると、実際はそのようなサービスではないようです。

実際はどんなサービス?

要するに、ソシャゲで課金するために消費者金融やカード会社のキャッシングを利用して借金がかさみ首が回らなくなった人の債務整理をしますよという事のようです。なので、「ソシャゲ」というのは1つの借金の原因に過ぎず、ブランド物を買いすぎたとか、キャバクラや風俗で使い込んじゃって借金したという場合となにも変わりはありません。つまり「ソシャゲ」は単なるキーワードであって、何か「ソシャゲ」に特化したサービスではないことに注意が必要です。

「債務整理」って?

債務整理には、消費者金融などとの直接交渉で今後の支払金額の負担を無理のない金額に抑える「任意整理」や裁判所に申立をして行う「破産」などいくつかのやり方があります。(「破産」についてはこちらをご覧下さい。)

「任意整理」とは、契約書のとおりの利息と期日では毎月払っていけない(あるいは、利息を払うのに手一杯で、いつまで経っても元本が減らない)ので、今後の利息の免除や支払期日を延ばして月額の支払額を減らして欲しいということを、消費者金融業者等に申し入れて交渉する事をいいます。

このような申し入れに対する対応は、消費者金融業者毎に異なりますが、借りた金額そのもの(元本)を減らすことはなかなか難しいと言えます。通常は、今後の利息は免除してもらって、月々の元本の分割弁済を無理のない範囲で合意できれば御の字と言えるでしょう。

昔は、金利が高かった分の取り戻し(所謂「過払金」)があって、その分を最近の借金と相殺して借金そのものが減ったり、場合によっては、全てチャラになった上に取り戻しも出来たのですが、最近はそのような高金利がなくなって久しいので、徐々に「過払金」を請求する権利が時効で消滅しているため、元本そのものが減るというケースも減っているのです。

勿論、古い借金があれば弁護士なり司法書士に申告して取り戻してもらうべきですが、最近の借り入れしか無いのであれば、借りた金額そのものが減るのは余り期待は出来ないでしょう。

「債務整理」のデメリット

また、今後の利息の免除が代償無く受けられるわけではなく、弁護士や司法書士を通じて消費者金融業者などに対して債務整理を行えば、それが破産など法的手続でなく、任意整理であっても、信用情報機関の情報にその事実が登録されますので、所謂ブラックリストに載った状態となり、今後数年間はクレジットカードの新規の作成(場合によっては既に持っているカードの利用も)、新たなローン契約などが出来なくなるという不都合があります。通常の銀行口座の利用には影響なく、振込でネットショッピングすることは問題なくできます。

延々と続く利息の支払に追われて生活を崩すよりは、ブラックリストに載ってでも、債務整理した方が前向きだと思いますが、そもそも、そのような事態に陥らないように、ソシャゲに限らずお金の使いすぎには気をつけたいですね。

ソシャゲ運営業者から課金した分を取り戻す方法があるかについては、別の機会に、検討したいと思います。