スポンサーリンク

トラブルに巻き込まれたときの相談先

何かトラブルに巻き込まれた時に、皆さんは誰に相談しますか?

まずは家族や友人、同僚などに相談するという方も多いと思いますが、具体的にトラブルを解決しようとすると専門の機関や専門家の手が必要ということも少なくありません。

取り敢えず「警察」を呼ぶというのは、トラブルの真っ最中には、有効な選択肢かも知れません。警察も権限の限界があり、万能ではないのですが、現実に刃傷沙汰や暴力沙汰になりかねないような緊急の状況で、助けを求めるにはベストの選択と言えるからです。

警察には道路を管理したり、犯罪の取締・捜査をしたりする組織ですから、道路上の不法駐車や障害物、何か犯罪が成立するような場合の相談先になりますが、違法駐車でも駐車場のような私有地内ですと基本的には守備範囲外ということになってしまいますし、刑事事件が成立するか不明な場合も、及び腰になる傾向があります。

よく「民事不介入」と言われるように、民事事件(お金や物品の支払・引渡請求など)は本来的に警察の仕事ではないので、このような場合に警察に相談しても無駄ということになってしまいます。ですから、犯罪が成立するような場合にその処罰を求めたり、その繰り返しを防止しようと警察に相談をするのは良いのですが、たとえ犯罪が成立するような場合であってもその損害を回復しようと警察に相談してもなかなか期待通りの対応をしてもらえません。(例えば、物を盗まれた場合、盗まれた物が犯人の手許にあって警察に押収されたのなら、その物は被害者への還付という形で戻って来ますが、犯人が既に誰かに売ってしまったという場合に、盗まれた物の価値相当額について損害賠償請求を警察に頼んでも断られることになります。)

市役所などの行政も相談窓口を設けておりますが、行政サービスの利用については良く対応してもらえるものの、市民同士のトラブルについては介入する権限がないため、どうしても一方に肩入れしたようなアドバイス、つまり、相談者にとって最善の答えが得られないこともあります。(この辺は、窓口担当者次第ということもあるようです。)

このように、世の中には色々な相談窓口があるのですが、それぞれ得手不得手というか権限の限界がありますので、これらの違いをよく分からないまま相談窓口を回っていると「うちでは対応できないから○○へ行ってみたら?」とたらい回しのような状況に陥ってしまったり、「相手にもこういう言い分があるはずだ」と丸く収めるために説得されてしまって、そのような状況に疲れ果てて諦めてしまう、つまり「泣き寝入り」してしまうこともあるのではないでしょうか。

適切な相談相手を決めるのは、そもそもトラブルの内容の分析と、そのようなトラブルに対してどのような解決が可能で、何を解決として求めるのかが判断出来ないと難しいと思います。

その意味では、手前味噌のようですが、弁護士のように刑事事件も民事事件も扱う専門家に相談するのが良い選択肢ではないかと思います。弁護士に依頼するとなれば多額の費用がかかるように思われるかも知れませんが、トラブルの解決そのものを依頼するのではなく、まずはトラブルの分析と、どのような解決法があるのか、また、自分はどの解決を目指すのが良いのかを相談する目的で弁護士の法律相談を受けるのであれば、それほど高い費用がかかる訳ではありません。法律事務所によっては初回の相談は無料としているところもあるようですし、このような目的であれば、弁護士会や法テラスで実施している法律相談も敷居が低く感じられるのではないでしょうか。

よく分からないまま相談窓口を回って疲れ果てて解決を諦めてしまうよりも、最初から法律相談でアドバイスを受けた方がスムーズに解決に近づけるのではないかと思いますので、遠慮せずに是非法律相談を利用してみてください。