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無料の求人広告にご用心

「タダより高いものはない」と昔から言いますが、求人広告を巡ってトラブルが生じていることが弁護士界隈で話題になっています。

パターンとしては大体次のとおりのようです。

ある日、「無料で求人求人広告を載せませんか?」という営業が入り、人手不足で困っているし、タダならと申し込んでしばらくすると、何十万という広告料が請求されるというものです。しかもその広告の内容も誰でも簡単にできるような内容で、おそらくはその会社も正規の何十万という費用であれば申し込まなかったというような内容のものが多いようです。(実際、求職者が見るかどうかを度外視して、求人広告をしたという体裁を取るだけであれば、数千円の費用で可能です。)

これを見ると、広告の依頼をした会社は詐欺に遭ったのではと思われるかも知れませんが、敵もさるもので、最初の営業時や申込書で目立たないように「○日までに解約の連絡を頂かなければ、○○万円の費用がかかります」という説明がされていることが多いようです。また、中には解約の期限までに連絡しますからと言いつつ、解約期限の営業時間終了間近に連絡をして、それに対応しての解約連絡が事実上出来ないというような手の込んだ方法をする業者もいるようです。

以上のような事実関係であれば、契約上は当初数日間は無料で、その後に有料になる広告契約に申し込み、利用者が解約をしなかったのですから、形式上は有効な契約であり、後は錯誤や暴利行為、信義則違反などの反論を利用者側でしていかなければならなくなります。

申込みをしてしまった利用者は弁護士に相談する等して対応を余儀なくされることになりますが、どうすればこのような面倒を防ぐ事が出来たのでしょうか。

先ずは、無料の求人広告とはいえ「契約」な訳ですから、その契約条件については確認すべきです。また、「無料」というと大変お得なものに聞こえますが、相手も事業をやっている以上は、何らかの収益化の方法がなければ成立しません。相手がどのように儲けているなんて知ったことではないとおっしゃる方もいるかも知れませんが、取引相手(あるいは取引相手になろうとする者)がどのような形で利益を上げようとしているのかを、知って理解することは、このような悪徳商法を防いだり、契約で不利な条件を知らずに呑んでしまうことを防ぐために有効なステップです。日々の業務でそこまで気にしていられないということであれば、契約の雛形をメールやFAXでちょっと送って、簡単なコメントを受けられるような顧問弁護士を契約しておくというのも良いかも知れません。

報道その他を見ても、同じような手口が全国的に広がっているようですので、皆さんご注意ください。